セラミックの試作と短納期対応

株式会社セライズ

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UV耐性

UV耐性を高めるセラミック

セラミックは紫外線による劣化を受けにくく、色あせや劣化を防ぎます。紫外線から素材本来の特性を守り、長期間にわたり性能を維持することができます。この特性により、屋外設置の産業機器や計測機器の信頼性向上に貢献します。

事例紹介

事例1
事例1
半導体製造装置
課題
  • 紫外線による部品劣化、変色しない材質の検討
ご提案

紫外線に強くアウトガスが出ないアルミナ99.5%をご提案

効果
劣化防止
事例2
事例2
特殊光源
課題
  • 除菌・殺菌灯で紫外線を発生する装置。劣化による腐食対策を検討
ご提案

紫外線に強く、安価な材料、ステアタイトをご提案

効果
紫外線で変色・劣化しない。高い絶縁性能を安価で実現


セラミックのUV耐性とは

紫外線(UV)は、多くの有機材料や一部の無機材料に対して劣化を引き起こす要因となり、変色、強度低下、表面劣化などの問題を生じさせます。

このような課題に対して、セラミックの優れたUV耐性が注目されています。セラミックは紫外線による劣化を受けにくく、色あせや劣化を防ぎます。紫外線から素材本来の特性を守り、長期間にわたり性能を維持することができるため、屋外用途や紫外線環境下での使用に適しています。


優れた光安定性

セラミックは紫外線による分子結合の切断が極めて少なく、長期間にわたって色調や機械的特性を維持します。

低い光劣化率

有機材料と異なり、紫外線暴露下でも劣化の進行が非常に遅く、長期使用においても安定性を保ちます。

幅広い波長への対応

様々な波長の紫外線に対して安定した耐性を示し、多様な環境下での使用に適しています。


UV劣化のメカニズム

紫外線(UV)は、波長が約10〜400nmの電磁波で、太陽光に含まれるほか、特定の人工光源からも放出されます。UVは高いエネルギーを持ち、多くの材料の分子結合を切断する能力があります。

一般的な材料のUV劣化は、以下のようなメカニズムで進行します。

  • 光分解:UV光子が材料の分子結合を直接切断
  • 光酸化:UVの作用で生成したフリーラジカルが酸素と反応し、材料を酸化
  • 熱劣化の促進:UV吸収による発熱が熱劣化を加速

これらの作用により、プラスチックや塗料などの有機材料では、変色、亀裂、脆化、強度低下などの劣化現象が生じます。また、一部の無機材料でも、特定の波長のUVによる電子状態の変化が劣化を引き起こすことがあります。

UV波長の区分
  • UV-A:315-400nm(長波長UV)
  • UV-B:280-315nm(中波長UV)
  • UV-C:100-280nm(短波長UV)

セラミックのUV耐性メカニズム

セラミックが優れたUV耐性を示す理由は、その化学結合構造と電子構造に起因しています。

  • 強固なイオン結合・共有結合:セラミックの原子間結合は非常に強固で、UVのエネルギーでは容易に切断されません
  • 広いバンドギャップ:多くのセラミック材料は広いバンドギャップを持ち、UV光子のエネルギーを吸収しにくい電子構造を持っています
  • 安定した電子状態:セラミックの電子状態は安定しており、UV照射による電子励起が化学結合の切断につながりにくい特性があります
  • 無機結晶構造:有機材料と異なり、UV感受性の高い炭素-炭素二重結合や炭素-水素結合を持たないため、光分解や光酸化が起こりにくい構造です

これらの特性により、セラミックは長期間のUV照射に対しても、色調変化や機械的特性の劣化が極めて少ないという優れた特性を示します。

UV耐性の評価方法

セラミックのUV耐性を評価するためには、以下のような試験方法が用いられます。

促進耐候性試験

短期間で長期暴露を再現する方法

  • キセノンアークランプ試験
  • UVフルオレセントランプ試験
  • カーボンアーク試験

性能評価項目

UV照射前後の特性変化を測定

  • 色差・光沢度測定
  • 機械的特性評価
  • 表面分析(XPS、FTIR等)
  • 屋外暴露試験との相関検証

産業界におけるセラミックUV耐性材料の応用

建築・外装分野での応用

建築や外装分野では、長期間にわたって美観と機能を維持する材料が求められます。セラミックのUV耐性は、以下のような用途で活用されています。

  • 建築用外装タイル:外壁や屋根に使用され、長期間色あせを防止
  • モニュメント・彫刻:屋外設置の芸術作品の耐候性向上
  • 屋外用家具・設備:公園や公共施設の設備の耐久性向上
  • セラミックコーティング:金属や木材などの表面保護

例えば、歴史的建造物の修復にはUV耐性の高いセラミックタイルが使用され、長期間にわたる美観の維持に貢献しています。また、高級車の塗装にセラミックコーティングを施すことで、UV劣化による色あせを防止し、長期間の美観維持を実現しています。

電子・光学分野での応用

電子機器や光学機器では、UV照射による性能劣化を防ぐことが重要です。セラミックのUV耐性は、以下のような用途で活用されています。

  • 光学部品:UV環境下で使用される光学レンズやウィンドウにセラミック材料を使用
  • 太陽電池部品:太陽電池モジュールの保護カバーやシール材にUV耐性セラミックを使用
  • LED照明部品:UV放出LEDの基板や封止材にセラミックを使用
  • 屋外用電子機器筐体:屋外設置の電子機器筐体にセラミック素材を使用し、UV劣化を防止

例えば、宇宙空間で使用される光学機器には、強いUV照射にさらされても性能劣化の少ないセラミック光学材料が使用されています。また、屋外設置の監視カメラやセンサー機器にもUV耐性セラミックが活用されています。

医療・バイオ分野での応用

医療やバイオテクノロジー分野では、UV滅菌処理や特殊な実験環境での材料安定性が求められます。セラミックのUV耐性は、以下のような用途で活用されています。

  • 医療機器部品:UV滅菌に対する耐性が求められる医療機器の部品
  • 実験用器具:UV照射下での実験に使用される容器や装置部品
  • バイオセンサー:屋外設置や紫外線照射下で使用されるバイオセンサーの保護材
  • インプラント材料:長期間体内で安定した性能を維持する必要がある医療用インプラント

例えば、歯科用セラミックは口腔内での長期使用においても変色や劣化が少なく、審美性と機能性を長期間維持することができます。また、UV滅菌が頻繁に行われる医療機器の外装にはUV耐性セラミックが使用され、機器の寿命延長に貢献しています。

セライズのUV耐性セラミック製品

セライズの技術的強み

株式会社セライズは、創業55年の歴史を持つセラミック専門メーカーとして、セラミック製品を提供しています。セライズの強みは、「お客様の課題をセラミックで解決する」という営業方針のもと、お客様のお困り事に寄り添いながらご提案します。また、日本国内でも数社しかない試作から量産までを一貫して対応できる体制を整えている会社です。

特にUV耐性セラミックにおいては、高純度アルミナや特殊添加物を含むセラミック材料を用いて、顧客の要求に応じたカスタマイズ製品を提供しています。セライズの製品は、過酷な紫外線環境下でも安定した性能を発揮し、顧客の製品寿命延長や信頼性向上に貢献しています。

セライズの提供価値
  • 55年の豊富な開発実績
  • 試作から量産まで一貫対応
  • 用途に合わせた材質選定
  • カスタマイズ設計・開発
セライズのセラミック製品

セラミックのUV耐性を最大限に活かすポイント

材質選定のポイント

UV耐性セラミックを選定する際には、以下のポイントを考慮することが重要です。

  • 使用環境の理解:UV照射の強度、波長分布、暴露時間などを正確に把握し、それに適した材質を選定
  • 純度の考慮:一般的に、高純度のセラミックほどUV耐性が高い傾向がある(不純物による光吸収や劣化が少ない)
  • 表面状態の影響:表面仕上げ(研磨、テクスチャ等)がUV耐性に与える影響を考慮
  • 複合環境の考慮:UV照射だけでなく、温度、湿度、化学物質などの複合環境も考慮した材質選定
  • コスト効果の検討:材質コストと寿命延長効果のバランスを考慮し、総所有コスト(TCO)の観点から最適な材質を選定


セライズ営業の【Challenge記録】セラミックの特性や、セラミックで課題解決させていただいた事例紹介などを紹介 しています。