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素子社長よもやまばなし

8月|2022. August

「少年がいのちを託した詩「ごめんなさいね おかあさん」」

少年がいのちを託した詩「ごめんなさいね おかあさん」

先日、ある講演会に行ったのですが、そこで紹介された詩が、とても感動的でした。
さっそくその詩が載っている本を購入しました。何度読んでも涙が流れてきます。

 

ごめんなさいね おかあさん

 

ごめんなさいね おかあさん
ごめんなさいね おかあさん
ぼくが生まれて ごめんなさい
僕を背負う かあさんの
細いうなじに ぼくは言う
ぼくさえ 生まれてなかったら
かあさんの しらがもなかったろうね
大きくなった このぼくを
背負って歩く 悲しさも
「かたわな子だね」とふりかえる
つめたい視線に 泣くことも
ぼくさえ 生まれなかったら

 

ありがとう おかあさん
ありがとう おかあさん
おかあさんが いるかぎり
ぼくは 生きていくのです
脳性マヒを 生きていく
やさしさこそが、大切で
悲しさこそが 美しい
そんな 人の生き方を
教えてくれた おかあさん
おかあさん
あなたがそこに いるかぎり

 

この詩は重度の脳性マヒの男の子が作ったものです。
彼は全身が不自由です。言葉を話すこともできない体で、この詩にいのちのたけを託しました。
詩を作る時は、支援学校の先生と二人三脚です。
先生が彼を抱き、言葉を示します。彼がその言葉を気に入ったらウインクで「YES」、違ったら舌を出して「NO」の意思表示をすることで、言葉をつむぎました。

 

第1連の部分ができたあと、先生がお母さんに見せたそうです。この詩を読んだお母さんはどんな気持ちだったでしょう。

 

お母さんは翌日「わたしの息子よ」という詩を書いてこられたそうです

 

わたしの息子よ

 

わたしの息子よ ゆるしてね
わたしのむすこよ ゆるしてね
このおかあさんを ゆるしておくれ
お前が 脳性マヒと知ったとき
ああごめんなさいねと 泣きました
いっぱいいっぱい泣きました
いつまでたっても歩けない お前を背負って歩くとき
肩にくいこむ重さより 「歩きたかろうね」と母心
重くはないと聞いている あなたの心がせつなくて
わたしの息子よありがとう ありがとう息子よ
あなたのすがたを見守って お母さんは生きていく
悲しいまでのがんばりと 人をいたわるほほえみの
その笑顔で生きている
脳性マヒの わが息子
そこにあなたがいるかぎり

 

彼の誕生は誰に謝る必要もありません。しかし、彼にとっては、「僕が生まれてごめんなさい」と言わざるを得ない世の中でした。その詩を読んで作られたお母さんの詩は息子への愛情に溢れています。
お母さんの詩を読んで、彼は第2連(後半)の部分の作成にとりかかったそうです。親子の美しいいたわりあいが、詩を通じて読む者の心に迫ってきます。
この詩を作った2か月後に彼は15年の短い生涯を閉じました。

 

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